ごあいさつ

歯に関すること

1.乳歯が斜めに生えたり、別の歯の後ろに生えたりしています。大丈夫でしょうか?

時期がきたら、歯科処置が必要になります。

歯の生え替わりの時期には、乳歯は本来、骨の中で成長してきている後続永久歯(次に生えてくる大人の歯)によって、歯根が溶けながらグラグラしてきて自然に抜け落ちるものです。しかし、乳歯が異常な位置に生えていると、なかなか抜け落ちないことがあります。
また逆に、自然な歯根吸収が行われない乳歯があると、その付近の永久歯が生えてくるのを遅らせてしまうこともあります。これらの場合には、乳歯の自然な脱落を待つのではなく、乳歯が抜けるのを積極的に助けてあげる必要があります。しかし、個々の歯の生え替わり時期には個人差があり、一概に年齢だけでは判断できかねますので、歯の生え替わりの年齢(6歳くらいから)に近くなりましたら、これら位置異常の乳歯がある場合は定期的に歯科医師に診てもらいましょう。

歯に関すること

2.歯が一本足りない気がします、心配です。

レントゲン検査で詳しく調べてもらいましょう。

歯の数は通常、上アゴと下アゴ合わせて乳歯は20本、永久歯は28本(親しらずを含めると32本)ですが、まれに多かったり少なかったりすることがあります。少ない場合には、生えて来られずに歯ぐきの中に埋まっているもの(埋伏歯)、隣同士の歯がくっついているもの(癒合歯)、生まれつき無いもの(先天性欠如歯)、重度の虫歯でわずかな歯根しか残っていないもの(残根歯)、打撲などの外傷により抜け落ちたもの(欠損)、歯ぐきの骨の中で異常増殖しているもの(歯牙腫)などが考えられますが、口唇口蓋裂の患者様ではよく埋伏歯、先天性欠如歯、まれに癒合歯がみられます。いずれも口の中を見ただけでは正しくわかりませんし、放っておいて自然に良くなるものでもありません.歯科医師にレントゲン検査で詳しく調べてもらい、今後するべき処置について説明を受けましょう。

歯に関すること

3.乳歯の時期の管理で大切なことは何ですか?

虫歯にしないこと、良く噛んで食べること、そして正しい生え替わりを見守ることです。

まず、虫歯にならないことが大切です。乳歯が虫歯になると、虫歯治療をしてもしなくても、永久歯への生え替わりに影響を及ぼす可能性が大きくなります。正常な生え替わりが行われないと、永久歯に生え替わったときに正しいかみ合わせができず、歯並びの異常から虫歯、歯周病、審美障害、顎関節症などさまざまな病気になることがあります。間食をなるべく少なくし、食べた後には必ず年齢に応じた正しい歯磨きをすることを習慣としてください。歯磨きについて詳しくは歯科医師や歯科衛生士にお訊ねください。

次に食事です。虫歯が無くても、軟食ばかりの食事ですと正しいアゴの成長が促されず、アゴと歯のバランス、上アゴと下アゴのバランスが悪くなり、咬合異常になることがあります。成長の過程で時間をかけて徐々に異常になっていったものは、後の治療が難しくなることが多いです。なるべく固めのものを良く噛んで食べる習慣をつけましょう。

そして、生え替わりの時期に異常が起こらないか、気をつけて見ていてください。気になる異常が見つかりましたら、早めに歯科医師に相談しておきましょう。

歯に関すること

4.口唇口蓋裂の子供は必ず歯科矯正治療が必要ですか?

必ずではありませんが、ほとんどの方が必要となります

口唇口蓋裂でないお子様でも、多くの方がかみ合わせや、歯並びに異常を持っており、歯科矯正治療を必要としています。口唇口蓋裂の患者様は、上アゴと下アゴの発育のバランスがうまくとれていないことが多く、成長期からのアゴのコントロールも考えた歯科矯正治療が必要となってきます。

しかし、アゴの成長に問題がなく、歯科矯正治療を必要としない人もいらっしゃいます。一度、歯科矯正医に診てもらい説明を受けることをお勧めします。

歯に関すること

5.歯科矯正治療はいつから始めるのですか?

乳歯から永久歯に交換していく時期や永久歯の時期に開始しますが、乳歯の時期から開始することもあります。

歯科矯正治療は、最終的に永久歯の歯並びを良くすることが目的ですので、一般的には乳歯から永久歯に交換していく時期に始めることが多いです。しかし、上アゴと下アゴのバランスが良くなかったり、前歯が反対に咬んでいるといった場合には、乳歯の時期から治療を開始することもあります。

口唇口蓋裂の患者様で、骨が欠損している部位に骨を植える手術を行わなければならない場合、早ければ6歳頃に行います.そのため、手術前の歯科矯正治療も通常より早く開始することが多いです。

適切な治療開始時期は人それぞれですので、一度、歯科矯正医に相談することをお勧めします。もし、すぐに治療を開始しなくても定期的に検診を受けていれば、虫歯の早期発見も可能になり、最もよいタイミングで必要最小限の治療が受けられることにもなります。

長野県こども病院 口唇口蓋裂センター tel.0263-73-6700
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